合同会社から株式会社へ

合同会社を設立してから株式会社化するケース

おそらくかつての起業家であれば、会社を立ち上げるとすれば、やはり「株式会社」をイメージする人が圧倒的に多かったのではないかという気がします。しかし、近年は少々事情が変わってきています。というのも、「合同会社」を積極的に設立しようという考え方の起業家が著しく増加しているからです。
考えられる理由のひとつに、主に設立資金やランニングコストなどの面から合同会社を立ち上げたものの、後々株式会社のほうがメリットが大きいという判断を下し、株式会社化に踏み切ったケースがあります。設立当初は合同会社のほうがメリットが大きかったにもかかわらず、徐々に株式会社ではなければならない何かにぶち当たると、こういったケースは比較的よく起こります。
では、その「何か」の背景に迫ってみたいと思います。
率直に言って、「株式会社でなければお付き合いしたくありません」という意思を明確に示している会社はけっこう多いです。したがって、業種や規模によっては、合同会社のままでは仕事の受注自体が減ってしまうという場合も十分考えられます。あるいは、このままでもやっていけるが、株式会社化することでさらなる事業規模の拡大を図ることができると判断した場合、そうした選択肢が生まれます。
また、株式会社のデメリットとして、社員の経営参画が基本的には許されていないという部分がありますが、合同会社で社員同士の意見が分かれてしまうと、上からの指示を待って解決するということができないため、先に進んで行けなくなってしまうような場合も考えられます。おそらくそういった事態に関しては、会社設立の当初には想定していない場合がほとんどではないかと思われます。
まだあります。たとえば、株式会社における利益分配は、数多くの規定に従うことになるわけですが、逆に合同会社の場合、利益分配の自由度の高さが大きなメリットとなっていました。しかし実はこの部分で紛争が起こりやすくなるという点が大きなデメリットになります。そうなってしまった場合には、やはり議論が紛糾し、経営が停滞するという大きな問題が起こります。
それ以外にも、将来的なヴィジョンを掲げる際、やはりできるだけ優秀な人材に求人を向けたいところですが、そういった人材はみな株式会社を選んでしまうというデメリットも小さくありません。
主に以上のような理由から、合同会社設立後、株式会社に移行するということは十分に考えられます。